地震観測レポート
最近発生した大きな地震と本プロジェクトで観測した地点数は下表の通りです。
地震発生時刻 | 震源 | マグニチュード | 深さ | 最大震度 | 観測点数 | カルテ |
---|---|---|---|---|---|---|
2018年2月26日 01:28 | 福島沖 | 5.8 | 10km | 3 | 33地点 | ─ |
2018年3月30日 08:17 | 茨城 | 5.5 | 60km | 4 | 32地点 | ─ |
観測された地震結果を
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iPod touchで地震の
揺れを測ってみた
音楽プレイヤーが地震計に!?
i地震アプリを起動したiPod touch
わが家の地震健康診断のモニターの方に使っていただいているiPod touchは、InvenSense社製の6軸ジャイロ・加速度センサを内蔵しています。
震度3程度以上であれば、加速度の計測品質は据え置き型の加速度計と遜色ないことが確認されていますが、建物の健全性評価に用いる変位で評価した場合の性能はどうなのか検証してみましょう。
実際に揺らして実験してみた!!
実験は自走式の地震動シミュレーター(地震ザブトン)の上に23台のiPod touchと、リファレンスデータ取得用の地震計(SU501)2台を配置し、最近の実地震記録を用いて二方向同時に加振しました。
地震動シミュレーター本体
上面に配置したiPod touch
実験の様子
実験に使った製品
実験結果の整理
サーボ型加速度計とiPod touchで計測した加速度波形をフーリエ積分により変位波形に変換した後、サーボ型加速度計の結果に対するiPod touchの、最大加速度と最大変位の比を算定し、加速度比、変位比について入力レベル別に平均値と2倍の標準偏差(2σ)を評価しました。平均値が1.0に近く、2σが小さいほど性能が良いことを示します。
図1に平均値+2σのグラフを示しました。加速度は地震の規模によらずほぼ一定の結果を示し、2σは0.1以下で良好な性能を示しています。一方、変位は震度5相当の中地震レベルでの2σは0.2を超えていますが、震度6相当の大地震レベルでは0.1以下となっています。
やっぱり地震計としてもすごい!!
地震による建物の被害は震度5強を超えたあたりから増加することを考えると、据え置き型の高性能な地震計と比較しても十分な性能を持っていることが実験の結果わかりました。
さらにiPod touchに内蔵される演算装置もデスクトップPCに引けを取らない性能を持っており、地震あんしんカルテのような複雑な計算も簡単にこなしてしまいます。iPod touchってやっぱりすごいんです。