わが家の地震健康診断 Qmagazine キューマガジン

2018.04 SPRING

本プロジェクトでは「Qmagazine」を年4回発行し、
観測した地震のレポートや防災情報を発信していきます。

地震観測レポート

最近発生した大きな地震と本プロジェクトで観測した地点数は下表の通りです。

地震発生時刻 震源 マグニチュード 深さ 最大震度 観測点数 カルテ
2018年2月26日 01:28 福島沖 5.8 10km 3 33地点
2018年3月30日 08:17 茨城 5.5 60km 4 32地点

観測された地震結果を
見てみよう!

詳しく見る

  1. 1.地震観測WEBサイト「Geonavi」にログインしてください。
  2. 2.メニューの「地震情報」→「緊急地震速報」をクリックし、緊急地震速報LISTを表示してください。
  3. 3.期間を絞り込み、該当する地震の「MAP」ボタンをクリックしてください。
  4. 4.右上の「波形」タブをクリックし、「EVENT LIST」から観測点を選択すると計測結果が表示されます。
  5. 5.「解析」ボタンをクリックすると、さらに詳しい解析結果が表示されます。

※Geonaviの操作方法については、こちらをご覧ください。

iPod touchで地震の
揺れを測ってみた

音楽プレイヤーが地震計に!?

i地震アプリを起動したiPod touch
i地震アプリを起動したiPod touch

わが家の地震健康診断のモニターの方に使っていただいているiPod touchは、InvenSense社製の6軸ジャイロ・加速度センサを内蔵しています。
震度3程度以上であれば、加速度の計測品質は据え置き型の加速度計と遜色ないことが確認されていますが、建物の健全性評価に用いる変位で評価した場合の性能はどうなのか検証してみましょう。

実際に揺らして実験してみた!!

実験は自走式の地震動シミュレーター(地震ザブトン)の上に23台のiPod touchと、リファレンスデータ取得用の地震計(SU501)2台を配置し、最近の実地震記録を用いて二方向同時に加振しました。

地震動シミュレーター本体
地震動シミュレーター本体

上面に配置したiPod touch
上面に配置したiPod touch

実験の様子

実験に使った製品

実験結果の整理

サーボ型加速度計とiPod touchで計測した加速度波形をフーリエ積分により変位波形に変換した後、サーボ型加速度計の結果に対するiPod touchの、最大加速度と最大変位の比を算定し、加速度比、変位比について入力レベル別に平均値と2倍の標準偏差(2σ)を評価しました。平均値が1.0に近く、2σが小さいほど性能が良いことを示します。
図1に平均値+2σのグラフを示しました。加速度は地震の規模によらずほぼ一定の結果を示し、2σは0.1以下で良好な性能を示しています。一方、変位は震度5相当の中地震レベルでの2σは0.2を超えていますが、震度6相当の大地震レベルでは0.1以下となっています。

図1 地震規模別の計測値のばらつき

やっぱり地震計としてもすごい!!

地震による建物の被害は震度5強を超えたあたりから増加することを考えると、据え置き型の高性能な地震計と比較しても十分な性能を持っていることが実験の結果わかりました。
さらにiPod touchに内蔵される演算装置もデスクトップPCに引けを取らない性能を持っており、地震あんしんカルテのような複雑な計算も簡単にこなしてしまいます。iPod touchってやっぱりすごいんです。