データマークNS330は、GPS衛星からの信号を受信して、高い時刻精度を維持するGPS同期型NTPサーバです。位置固定モードにより、1つのGPS衛星を捕捉するだけでタイムサーバとしての動作を開始します。インターネット上の公開サーバにアクセスする必要がありませんので、閉じたネットワークでの運用が可能です。
衛星軌道の関係から、日本では常に多くの衛星が上空に位置している訳ではありません。また、天空全体を広く見渡せるような好条件でGPSアンテナを設置できるとは限りません。
位置情報を与えたNS330を位置固定モードで動作させれば、1つのGPS衛星捕捉で、起動時からNTPサーバ機能を提供できます。条件(*)により、屋内設置GPSアンテナでの運用も可能となります。
*アンテナ周囲の見通し環境、窓ガラスの電波透過性、求める時刻精度等。
本体前面にある液晶表示画面には、日付、時刻、ネットワークアドレス、GPS状態などを表示します。設定内容や、NTPサーバとしての動作状態が確認できます。
NS330は、モードの指定により、日本標準時(JST)と世界標準時(UTC)のいずれにも対応しています。お使いになる環境に合わせて選択することができます。
ネットワーク機器を管理するためのプロトコルSNMPに対応しています。離れた場所からでもネットワーク経由で動作状態を確認することが可能です。
ブラウザから各種設定が行えるため、設定がとても簡単です。また、設定内容はWEB上だけでなく、本体前面の液晶画面にも表示されますので、状態の確認も容易に行えます。
本体の高さは19インチラック・マウント機器規格の1Uサイズで設計され、省スペースでご利用いただけます。ラックマウント用固定金具は、着脱自在。据置き用のゴム足も付属していますので、ラックでも、据置きでも、ご利用環境に合わせて設置することができます。
項目 | 仕様 | |
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UTC時刻 同期精度 |
GPS同期時 本体クロック精度 |
100μsec以内 |
GPS非捕捉時 本体クロック精度 |
±3min/月(25℃) | |
入出力 | ネットワーク入出力 | 10BASE-T/100BASE-TX ×1 RJ-45 |
GPS入力 | BNCコネクタ ×1 | |
フロントパネル入力 | 上、下、ESC、ENTボタン (液晶表示切替) |
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表示 | フロントパネル表示 | 16 桁×2 行液晶表示(バックライト付) |
フロントパネルLED | POWERランプ:起動状態 1PPSランプ:GPS同期状態 STATUSランプ:NS330起動状態 |
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基本機能 | 設定操作 | ブラウザによる設定 |
各種サポート機能 | NTP: NTPサーバ機能を提供 (NTPv4) | |
http: 設定・状態確認機能を提供 | ||
SNMP: v1,v2に対応 | ||
消費電力 | 10W以下 | |
電源 | AC100V ±10%(50/60Hz) | |
動作温度範囲 | 0~+40 ℃(結露無きこと) | |
寸法 | W220 × H43 × D250mm (ラックマウント用固定金具、突起部除く) |
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重量 | 総重量約1.5Kg(本体のみ) 約1.7kg(ラックマウント用固定金具含む) |
ユーザーズマニュアル、ACケーブル、ゴム足、ラックマウント用固定金具
※図は概要を示すもので、多くの必要な機器が省略されて描かれています。
GPS(Global Positioning System)同期型NTPサーバとは
NTP(Network Time Protocol)は、コンピュータ等、ネットワーク上の機器の 内部時計を正確に保つためのプロトコルです。
このプロトコルを用いて、クライアントとなるコンピュータ等の機器に、時刻情報を提供するのがNTPサーバです。
NTPを用いた仕組みは、通常階層構造で構成されます。最上位のサーバは Stratum1 サーバと呼ばれ、高い精度の時刻情報をソースとする必要があります。
GPS同期型NTPサーバは、原子時計を内部に搭載したGPS衛星からの信号を受信する Stratum1 サーバです。
ネットワーク内に Stratum1 サーバがあれば、インターネット等の外部ネットワークにアクセスする必要がないため、セキュリティ面でも安心です。