お客様事例

株式会社 東京流通センター様 導入事例

複合型施設”初”の本格的な統合地震防災システム

緊急地震速報と建物の健全性判定により、揺れの到達前から素早い初動までを的確に支援する仕組みを実現

建物の外観
  • お客様プロフィール

  • 株式会社 東京流通センター様
  • 本社:東京都大田区
  • 設立:1967年11月13日
  • 資本金:40億円
  • 業種:不動産賃貸業
  • 「人×街×物流」 新たな価値 創造の場
    を企業理念として、人・街・物流の相乗効果で新たな価値が生まれる場、東京流通センターは、安全・安心そして環境に配慮した施設と運営を通じて、社会に貢献しています。
  • 目的

    建物の健全性判定

  • カテゴリ

    計測地震防災・緊急地震速報

  • 関連製品

    VissQ、緊急地震速報システム

  • 提供範囲

    システム設計、機器一式、設置・調整、保守

背景と課題

2011年の東日本大震災発生時に余震の続く中、屋外に一時避難したテナント様への建物内立ち入りの判断が困難であったことから、建物の安全性の情報提供が迅速に行える体制の構築が求められていました。

提供システム

各建物に地震計を設置することで建物の揺れを視える化し、地震発生時に人と建物の安全・安心をサポートするシステム「VissQ」を提供。建物それぞれに最適な判定方法と基準を採用することで、安全性判定の速度と精度を高め、震災時の的確な初動対応を実現しました。

  • 導入拠点一覧 7棟のビル(オフィスビル、物流ビル、展示場)に、地震被災度判定の機能を含む統合地震防災システムを導入。各ビルは社内ネットワークで接続。
  • 代表的なシステム構成 ビルの要所に地震計を設置し、記録部を介して計測データをセンタービルに送信。センタービル内の防災センターに設置した緊急地震速報受信機や表示機器などで、各ビルの状況を集中管理。
  • 被災度判定イメージ 揺れの収束後、建物の柱や梁などの構造体における被災度の目安や、家具・什器類、天井などの非構造体における損傷の可能性を階ごとに表示。建物それぞれに最適な判定方法と基準を採用。
  • 緊急地震速報イメージ 気象庁配信の緊急地震速報を受信し、あらかじめ登録しておいた地点の予測震度とS 波到達までの予想時間を表示。また、P波とS波の広がりをリアルタイムで監視。

導入後の効果

  • ●地震の発生時に、建物内への客観的立ち入りの判断が可能となった
  • ●建物利用者への状況説明、点検や復旧の初動体制確立など、すばやい対応が可能となった
  • ●帰宅困難者対応として、ガイドラインに基づく発災後、概ね6時間以内での一時滞在施設の開設可否判断が可能となった
  • ●地震のデータを利用して、本番を想定した防災訓練やBCPの見直しに活用

防災センターの様子

ご担当者様の声

防災対策の改善に終わりはなし、
地震被災度判定システムを有効に使っていきたい。
白山工業のシステムに決めた理由を教えてください。

2011年の東日本大震災以前から、公共、民間、大学、研究施設と幅広く導入実績があることが挙げられます。もちろん価格とフォロー体制も重要視しました。その結果、複数の候補の中から選びました。

導入後、実際にどのように運用していますか?

震度6弱以上で災害対策本部を設けていますが、被災度のレベルに応じて行動をマニュアル化しています。例えば、中破というレベルになった場合には、館内への放送と館内の人員避難。小破までの場合は、マニュアルに則り建物調査を実施するようにしています。

進めていく中で、どのような苦労がありましたか?

導入後の事を考えて準備をしていたので、最初はやはり試行錯誤でした。その点では、設計会社と白山工業との3社での協議を定期的に開催して、3社でスクラムを組んで取り組めたのが大きかったかと思います。特に導入前に運用をイメージして、運用・取り扱いマニュアルの作成を行ないました。設計者の意見を取り入れ、作成には苦労しましたが、マニュアルの作成を運用前に準備できていたので、スムーズに導入後の運用に取り掛かれたと思います。

導入して良かったこと、導入前後での変化を教えてください。

幸いにも導入後大きな地震には遭遇していませんが、定期的におこなう訓練に使っています。訓練でも使えることによって、自信(災害対応力)がついてきたように感じます。また、客観的な指標として使用できるので、特定の個人に責任を負わせないシステムとしても良かったのではないかと思っています。テナント様への情報提供・共有や区への帰宅困難者の受け入れ対応の連絡がスムーズになることなども、大きな安心感につながる重要な要素となっています。

今後の展望はありますか?

実際の地震が発生した際に対応できるようにしていきたいと常々考えています。これは地震だけではなく、水害や、大雪など自然現象に対してもどうしても被害が発生するというのはやむを得ないことです。ただ、事前の準備でそれを最小限に抑えることも可能と考えています。各マニュアルをブラッシュアップしていくこと、訓練・点検を欠かさないことが大事だと思います。その中で地震被災度判定システムを有効に使っていきたいと思っています。改善に終わりはないと思っていますし、東京流通センターオリジナルのものを作り上げていきたいです。

  • ご担当者様の写真

    総務部 統括防火・防災管理者 吉村様

  • 運用までの流れ
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