お客様事例

株式会社 東京ドーム様 導入事例

大規模スタジアムの安心・安全を支える
被災度判定システム

構造設計者の知見を加えた被災度判定により、迅速な建物の継続使用の判断・お客様への避難指示が可能に

東京ドーム外観
  • お客様プロフィール

  • 株式会社 東京ドーム様
  • 本社:東京都文京区
  • 設立:1936年12月25日
  • 資本金:20憶3千8百万円
  • 業種:サービス業
  • 東京ドームは、いつの時代にも様々なエンターテインメントを多くの人々に提供してきました。今後も、お客様に心から楽しんでいただける安全・安心な都市型レジャーの追及を社会的な使命ととらえ、「感動の共有」と、次世代の新たな価値を持続的に創出します。
  • 目的

    建物の継続使用の判断・適切な避難指示の提供

  • カテゴリ

    計測地震防災

  • 関連製品

    日建設計 地震時被災度判定システム NSmos

  • 提供範囲

    システム設計、機器一式、
    設置・調整、保守

背景と課題

都内最大級の大規模エンターテインメントシティである東京ドームシティは年間4,000万人(2019年度)を超える人々が訪れます。中でも、東京ドームは、野球はもちろんのこと、コンサートや展示会など年間を通して多種多様なビッグイベントが開催されています。
東京ドームは、厳しい基準の下、設計・建設されており大地震にも耐えられる構造ですが、大地震発生直後に、専門家でなくても定量的な判断基準をもとに建物の継続使用の判断とお客様に対して適切な避難指示の提供をおこなえるよう、本システムを導入しました。

東京ドームシティ全景
東京ドームシティ全景

東京ドーム場内
東京ドーム場内

提供システム

システムに構造設計者の知見を取り入れることで、その建物の特性を読み取って建物ごとに最適な被災度判定の値を設定できる地震時被災度判定システム「NSmos」を提供。5段階の判定結果から地震発生後数分で建物の継続使用を判断、お客様への避難指示を行えるようになりました。

[システム概要]複数の地震計で揺れを計測⇒レポートから継続使用可否を判断⇒適切な避難指示・迅速な初動対応

  • 簡易レポート

    [簡易レポート]構造体に加え、外装・天井・設備機器・家具といった非構造部材を含めた5項目それぞれの被災度を判定し、建物の継続使用の判断を容易にします。

  • 詳細判定レポート

    [詳細判定レポート]加速度波形や速度応答スペクトルなどの各判定項目の情報をより詳しく見ることができます。また2次判定の必要性有無の判断に役立ちます。

運用

  • [発災時]
    • 1.地震発生時に本システムにて簡易レポートを確認
    • 2.建物の継続使用の可否を判断
    • 3.お客様への避難指示等の災害対応にあたる
  • [被災後]
    • 1. 目視確認により詳細な被害状況の確認
      判定レポートの内容から、被害の大きいエリアの特定と優先順位付けを行った後、自社の被害状況確認用シートを用いて目視点検を実施、詳細な被害状況を確認する。
    • 2. 最適な補修計画の立案
      判定レポートに基づいて、施工会社と被災度の大きい箇所に絞った最適な被害調査、および、補修計画の立案を行う。

ご担当者様の声

東京ドームシティに来場されるお客様の安全維持が全従業員の最優先事項。
“非日常“を楽しみに来たお客様に寄り添った対応をすることが我々の務め。
システム導入の検討理由を教えてください。

東京ドームは、厳しい基準の下、設計・建設された地震に強い建物ですが、多い時には5万人以上のお客様がお越しになることが想定される中、建物の継続使用の可否を瞬時に判断できる必要がありました。もし本システムがなかったら、建物の安全を確認するため目視点検に長時間要する場合がありますが、導入により数分以内で判断できるようになります。

システム導入の決め手は何ですか?

ご提案の段階から、私たちが一番重視する「お客様の安全」に対して、明確な根拠をもって判断できるよう、センサーの数や位置など非常に緻密に計算された内容をご提示いただけたことです。また、既にグループ会社である熱海後楽園ホテルへの導入が決まっていたこともあり、導入後のメンテナンスやアフターフォローの体制なども考慮しました。

発災時、どのような運用を想定されていますか?

多くのお客様がいらっしゃる状況では、まずは「大丈夫です」「落ち着いてください」といったお声掛けや傷病者対応等に多くの人的リソースを割くことになる中、発災後数分で「建物の継続使用の判断」と「特定した被災エリアに基づいた避難指示」の対応を行います。また、復旧時には、被災度判定結果に応じて、広大な建物のどのエリアから優先的に詳細な被害状況を確認すべきか判断します。

普段どのような訓練をされていますか?

災害時には、東京ドームシティ内にある8つの自衛消防隊を中心に災害対応を行います。このため、東京ドームシティでは、年間約3,000回の防災・安全訓練を行うと共に、総合防災訓練では、従業員の他に地元消防や警察にも参加いただき、防災への意識を高めています。

今後東京ドーム様の目指す防災は何ですか?

まず、東京ドームシティのお客様の安全維持が全従業員の最優先事項です。その上で、“非日常”を楽しみに来たお客様に安全と安心を提供するため、ハード面だけでなくソフト面でも、お客様に寄り添った対応をすることが我々の務めと考えています。

  • ご担当者様の写真

    株式会社東京ドーム リスク管理部 竹村様

お問い合わせ