株式会社 東京ドーム様 導入事例
構造設計者の知見を加えた被災度判定により、迅速な建物の継続使用の判断・お客様への避難指示が可能に
建物の継続使用の判断・適切な避難指示の提供
計測地震防災
日建設計 地震時被災度判定システム NSmos
システム設計、機器一式、
設置・調整、保守
都内最大級の大規模エンターテインメントシティである東京ドームシティは年間4,000万人(2019年度)を超える人々が訪れます。中でも、東京ドームは、野球はもちろんのこと、コンサートや展示会など年間を通して多種多様なビッグイベントが開催されています。
東京ドームは、厳しい基準の下、設計・建設されており大地震にも耐えられる構造ですが、大地震発生直後に、専門家でなくても定量的な判断基準をもとに建物の継続使用の判断とお客様に対して適切な避難指示の提供をおこなえるよう、本システムを導入しました。
東京ドームシティ全景
東京ドーム場内
システムに構造設計者の知見を取り入れることで、その建物の特性を読み取って建物ごとに最適な被災度判定の値を設定できる地震時被災度判定システム「NSmos」を提供。5段階の判定結果から地震発生後数分で建物の継続使用を判断、お客様への避難指示を行えるようになりました。
[簡易レポート]構造体に加え、外装・天井・設備機器・家具といった非構造部材を含めた5項目それぞれの被災度を判定し、建物の継続使用の判断を容易にします。
[詳細判定レポート]加速度波形や速度応答スペクトルなどの各判定項目の情報をより詳しく見ることができます。また2次判定の必要性有無の判断に役立ちます。
東京ドームは、厳しい基準の下、設計・建設された地震に強い建物ですが、多い時には5万人以上のお客様がお越しになることが想定される中、建物の継続使用の可否を瞬時に判断できる必要がありました。もし本システムがなかったら、建物の安全を確認するため目視点検に長時間要する場合がありますが、導入により数分以内で判断できるようになります。
ご提案の段階から、私たちが一番重視する「お客様の安全」に対して、明確な根拠をもって判断できるよう、センサーの数や位置など非常に緻密に計算された内容をご提示いただけたことです。また、既にグループ会社である熱海後楽園ホテルへの導入が決まっていたこともあり、導入後のメンテナンスやアフターフォローの体制なども考慮しました。
多くのお客様がいらっしゃる状況では、まずは「大丈夫です」「落ち着いてください」といったお声掛けや傷病者対応等に多くの人的リソースを割くことになる中、発災後数分で「建物の継続使用の判断」と「特定した被災エリアに基づいた避難指示」の対応を行います。また、復旧時には、被災度判定結果に応じて、広大な建物のどのエリアから優先的に詳細な被害状況を確認すべきか判断します。
災害時には、東京ドームシティ内にある8つの自衛消防隊を中心に災害対応を行います。このため、東京ドームシティでは、年間約3,000回の防災・安全訓練を行うと共に、総合防災訓練では、従業員の他に地元消防や警察にも参加いただき、防災への意識を高めています。
まず、東京ドームシティのお客様の安全維持が全従業員の最優先事項です。その上で、“非日常”を楽しみに来たお客様に安全と安心を提供するため、ハード面だけでなくソフト面でも、お客様に寄り添った対応をすることが我々の務めと考えています。
株式会社東京ドーム リスク管理部 竹村様