2010年04月12日
白山工業株式会社
~CAN※2とACTプロトコル※3採用により、一歩先の観測システムへ~
白山工業株式会社(本社:東京都府中市、代表取締役社長:吉田稔 http://www.hakusan.co.jp/)は、地震・火山などの自然観測分野において多項目観測を実現し、また構造物の振動計測にも応用可能なテレメータシステム「フィールドバスシステム(LFシリーズ)」を2010年4月1日に発売いたしました。
「LFシリーズ」は、"総合観測をもっと容易に実現するバスシステムが欲しい"という自然観測の現場の声によって誕生しました。従来、現場の機器構成によってはセンサーの数だけ長距離のアナログ信号ケーブルの敷設が必要であり、この長距離ケーブルによりセンサー信号にノイズが混入しやすいという問題がありました。また、通信回線不調時には観測データの欠落が発生するという問題も抱えていました。今回「LFシリーズ」の通信システムにCANとACTプロトコルを採用したことでこれらの問題を解決、信頼性・運用性において一歩先を行く観測システムを実現しました。
CANは、車載LAN、鉄道、FAなどの過酷な環境で確実に通信するためのシリアル通信の国際標準規格です。今回「LFシリーズ」のコントローラとデジタイザを分離したことで、センサー直近でのA/D変換が可能に。CANの採用によりデジタイザでA/D変換されたデータを確実にコントローラに届けます。また、デジタイザの増設や交換が容易となり多項目観測システムの構築が可能です。
ACTプロトコルはデータの到着保障を重視した伝送プロトコルです。万一の欠測データも自動補完され、従来の通信回線不調時に発生するデータ欠落の問題を解決しました。
「LFシリーズ」は遠隔からの観測制御とシステムの状態監視が可能です。状態監視には自動監視に適したSNMP方式を採用しました。
高ダイナミックレンジ(140dB(typical)*4)、高時刻同期精度(GPS衛星からの1PPSに対して±50μsec以内)を実現しました。
観測に役立つ様々な機能を同時に兼ね備えた「LFシリーズ」は、地震・火山などの自然観測に限らず、ビル、住宅、橋梁、トンネル、ダムなどの構造物の振動計測にも応用可能、分野を限定しない幅広い活用が期待できます。
LFシリーズ
*1:2010年4月1日現在 白山工業㈱調べ(サンプリング周波数100Hz、カットオフ周波数20Hzの場合)
*2:Controller Area Networkのこと
車載LAN,鉄道、船舶FAなどの過酷な環境で確実に通信するためのシリアル通信の国際標準規格(規格:ISO11898,11519-2)。
*3:Autonomous Cooperative data Transfer protocol
首都直下地震防災・減災特別プロジェクト(MeSO-net)で、東京大学地震研究所と共同開発した自律協調型データ伝送
プロトコル。
*4:サンプリング周波数 100 Hz、カットオフ周波数20 Hz、最小位相フィルタを使用したとき。
以上